01
外国人採用から日本人採用への転換
Q.支援を依頼する前、中途採用ではどのような課題を抱えていましたか?
人事部 須藤様
RDCグループでは、寿司、とんかつ、ラーメン、ビュッフェなど幅広い飲食ブランドを展開し、グループ全体で300店舗以上を運営しています。正社員は約1,000名、アルバイト・パートを含めると約7,000名が働いており、各店舗の運営を支える一般社員や職人を継続的に採用する必要があります。
2026年3月までは、一般社員クラスのポジションを中心に、外食分野の特定技能人材を積極的に採用していました。その結果、中途採用者に占める外国人材の割合が高くなり、前年度は中途採用者の約50〜60%を外国人材が占めていました。
しかし、2026年4月に外食分野における特定技能人材の国内受け入れが上限に達し、新たな受け入れが難しい状況となりました。これはRDCだけの課題ではなく、日本国内の制度と受け入れ環境によるものです。
これまでと同じ方法で外国人材を採用し続けることが難しくなり、日本人の中途・キャリア採用へ大きく方針を転換する必要がありました。
02
日本人採用のノウハウが蓄積されていなかった
Q.日本人の中途採用へ切り替えるうえで、どのような難しさがありましたか?
人事部 須藤様
長期間にわたって外国人材を中心とした採用を進めていたため、日本人の中途採用については、社内に十分なノウハウが蓄積されていませんでした。
日本人の求職者が転職時にどの程度の給与や休日、勤務条件を求めているのか。どの採用手法を使えば求める人材へ接触できるのか。最初の連絡で何を伝え、面接までどのようにコミュニケーションを取るべきなのか。面接では企業が候補者を評価するだけでよいのか、それとも会社や仕事の魅力をどのように伝える必要があるのか。
こうした採用活動の基準や進め方が整理されておらず、日本人の中途採用を実施するための仕組みを一からつくる必要がありました。
人材紹介会社を利用する場合、紹介手数料が理論年収の35%程度となり、1名の採用に120万〜150万円ほどかかるケースもあります。今後必要な人数を採用するには、人材紹介だけに依存せず、コストを抑えながら日本人求職者と接点を持てる新たな採用経路も必要でした。
03
採用市場に合わせた給与制度とオファー条件の見直し
Q.採用を開始する前に、給与制度やオファー条件をどのように見直しましたか?
人事部 須藤様
契約当初の採用条件を確認したところ、試用期間中の給与制度と、候補者へ提示するオファー給与の両方に課題があることが分かりました。
当時は、入社時から正社員として雇用する一方で、最初の2か月間は月給ではなく時給で給与を支払う制度が残っていました。長期間、日本人の中途採用を積極的に行っていなかったこともあり、社内ではその制度が当たり前のものとして運用されていました。
しかし、日本人の中途採用市場では、試用期間中だけ給与が低くなり、月給から時給へ変わる条件は、求職者にとって大きな不安材料になります。そのまま求人へ掲載すれば、募集条件を確認した段階で応募を見送られる可能性がありました。
さらに、候補者の経歴、実務経験、技術、前職の給与などを踏まえて提示するオファー給与についても、採用市場の水準と比べて低い傾向がありました。
特に専門職では、経験年数だけでなく、担当できる業務、技術水準、マネジメント経験などによって市場価値が変わります。それにもかかわらず、候補者ごとの経験値を十分に反映せず、従来の社内基準をもとに給与を提示すると、内定を出しても承諾を得られない可能性があります。
そこで、同業他社の募集条件や現在の採用市場における給与水準を共有し、RDCの条件が求職者からどのように見えるのかを具体的に説明しました。
求人原稿の表現だけを変えるのではなく、試用期間中の給与制度を見直すとともに、候補者の経歴、経験、技術、前職給与、希望給与を踏まえて、個別にオファー給与を検討する方針へ変更しました。
04
日本人採用の仕組みを再設計
Q.採用条件の見直し後、どのような採用体制を構築しましたか?
人事部 須藤様
採用条件を整えたうえで、RDCが必要とする職種、経験、年齢層、配属予定店舗、入社後に期待する役割を整理し、日本人中途採用における人物要件を設計しました。
今回の採用では、単に飲食経験者を集めるのではなく、職人としての経験や技術を持ち、RDCの店舗で継続的に活躍できる人材を採用対象として設定しています。
人物要件を共有したうえで、独自の経路から求職者を集め、候補者との事前面談を実施しました。経験、希望条件、転職理由、勤務地、今後のキャリアなどを確認し、RDCの採用基準に合う候補者を選定して選考へ送客しています。
一般的な求人媒体のように応募を待つだけではなく、対象となる求職者へどのように接触し、どのような情報を伝えれば関心を持ってもらえるかを整理。候補者との最初の接点から面接まで、一貫したコミュニケーションを設計しました。
05
候補者に選ばれる選考とオファーフローの構築
Q.面接から内定条件の提示まで、選考の進め方をどのように変えましたか?
人事部 須藤様
日本人の中途採用では、企業が候補者を評価するだけでなく、候補者からも勤務先として比較・評価されます。
そのため、面接を経験や技術だけを確認する場にするのではなく、RDCグループの事業規模、展開ブランド、配属後の仕事内容、待遇、将来のキャリアを伝え、候補者が入社後の働き方を具体的に判断できる選考へ見直しました。
また、面接で確認した経歴や技術、前職給与、希望条件を採用担当者と共有し、内定を出す前にオファー給与が候補者の経験値や採用市場の水準に合っているかを確認するフローを設けました。
従来の社内基準を一律に当てはめるのではなく、その候補者にどのような役割を期待するのか、どの経験や技術を評価するのかを整理したうえで、内定承諾につながる給与条件を検討する仕組みへ変更しています。
候補者へ条件を提示する際も、金額だけを伝えるのではなく、評価した経験、入社後に期待する役割、今後のキャリアとあわせて説明できるようにしました。
候補者への初回連絡、面接日程の調整、選考中のフォローも支援し、人物要件の確認から内定条件の設計までを一つの採用フローとして運用しています。
06
2か月で20〜40代の職人2名を採用
Q.支援開始後、どのような成果が生まれましたか?
人事部 須藤様
採用条件の見直しと日本人中途採用の体制構築を行った結果、支援開始から2か月で、20〜40代の職人2名の採用が決定しました。
採用単価は1名あたり40万円となり、人材紹介を利用した場合に想定される120万〜150万円程度と比較して、採用コストを大きく抑えています。
事前に経験や希望条件を確認し、採用基準に合う候補者へ対象を絞ったことで、条件の合わない応募者との面接を減らし、採用可能性の高い候補者と効率的に選考を進められるようになりました。
今回の採用では、候補者を集めて送客するだけでなく、応募前に確認される募集条件、試用期間中の給与制度、候補者ごとのオファー給与、条件提示の方法まで見直しました。
求職者の経験や市場価値に対して大きく乖離した条件を提示することを防ぎ、採用したい候補者から内定承諾を得るための社内フローを構築したことも、2名の採用決定につながった重要な要因です。
07
日本人採用を継続できる体制へ
Q.今回構築した採用体制を、今後どのように生かしていきますか?
人事部 須藤様
RDCでは、今後も高い中途採用目標を掲げています。その目標を達成するには、人材紹介や外国人採用など、一つの手法だけに依存しない採用体制が必要です。
今回の支援を通じて、採用市場に合わせた条件の設定、人物要件の整理、求職者への接触、候補者とのコミュニケーション、面接、内定までを一つの流れとして運用できるようになりました。
今後は、採用した人材の入社後の活躍状況や、選考で得られた候補者の反応を確認しながら、人物要件や条件、選考方法を継続的に改善します。
外国人採用と日本人採用を適切に組み合わせ、各店舗で必要となる人材を安定して確保できる採用基盤をつくっていきます。

